◆切削加工の特徴（メリット）

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樹脂は温度の影響を受けやすい素材なので熱が加わると膨張し冷えると収縮します。
各素材特性による熱の影響を考慮し、刃物の種類や加工速度などを調整することで、射出成形加工や3Dプリンター加工よりも高精度の加工が可能です。

射出成形などと異なり金型が不要なため、初期費用があまり掛からない場合がほとんどです。
製作数が1個でも大量でも、コストは個数におおよそ比例します。

熱可塑性、熱硬化性に限らず、ほとんどの素材を加工することが出来ます。

◆切削加工の特徴（デメリット）

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加工機の特性や工具形状には限界があり、空洞の形状や深い内面の加工、細長い穴加工などは加工ができない場合があります。

ガラスエポキシ（ガラエポ）やベークライトなどの積層板は、切削時に微細な切粉（粉塵）が発生する為、加工を行わない会社もあります。
加工設備に吸塵機を設置していないと、微細な切粉の処理ができずに、加工設備の故障発生を誘発したり、人体にも影響を及ぼす危険性があるからです。

1つ1つを加工する為、製作数量が1個でも大量でも工数は大きく変わらず加工コストがかかります。
特に複雑な形状のものは工数が多くなるため、数量が多くなる場合は他の加工方法の検討が必要です。

◆切削加工の種類

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設備に固定した材料を回転させながら、刃具・工具を当てて材料を削る加工です。
材料を回転させながら加工するため、外径加工、内径加工、外径・内径への溝入れ加工、穴・ねじ切り加工、突切り加工など、主に円筒形状のワークに対して用いられます。
設備の種類としては、手動操作となる汎用旋盤や、加工プログラムで操作するNC(CNC)旋盤が代表的です。

旋盤加工が材料を回転させるのに対し、フライス加工は材料固定で、刃具・工具を回転させて削る加工になります。
主な加工は、平面加工や側面加工、溝入れ加工、段差加工が挙げられます。
設備の種類としては、汎用フライス盤、NCフライス盤、マシニングセンタがあります。

汎用フライス盤や汎用旋盤は、刃具・工具の取付け・交換作業から加工までを全て手作業で行う設備です。
試作加工などの1点物や、治具などの製作において用いられることが多いため、多くの加工現場で必ず1台は保有している設備と言えるかもしれません。

NC（numerical control）とは数値制御の意味で、材料の位置やツールの動きを数値化して機械を動かす方式です。
現在では、コンピュータによる数値制御（プログラム）で自動加工する方式が基本ですが、過去にはコンピュータ制御ではないNC加工機があった為、『NC』と『CNC』の2つの呼称が存在していました。
今は、まとめてNCと呼称するのが一般的であり、『NCフライス盤/NC旋盤』の表記で紹介されているのがほとんどになると思います。

◆フライス加工機の派生

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マシニングセンタとNCフライス盤は、どちらもフライス加工用の設備で、基本的にはATC（自動工具交換機能）を持っているかどうかの違いです。
ATCとは「Automatic Tool Changer」の略です。※ATC付きのNCフライス盤も一部に存在します。

ATCの搭載により、いくつもの刃具・工具を使い分けながら一度で複数の加工を行えるため、精度の高い加工が可能になります。
現在、樹脂加工用の設備としてはマシニングセンタを使用するのが主流になっています。

マシニングセンタには、『横型マシニングセンタ』や『縦型マシニングセンタ』、大型の加工を行う『門型マシニングセンタ』、立体的な加工が一度に出来る『5軸制御マシニングセンタ』などがあります。
マシニングセンタと言われて一番最初に思い浮かぶのは『横型マシニングセンタ』になるでしょうか。

当社でも横型マシニングセンタを保有しており、ブログで少し詳しく紹介していますので、気になる方はぜひこちらもご覧下さい。

マシニングセンタとNCルーターの違いですが、明確な定義があるわけではありません。
金属加工用として進化したNCフライスが『マシニングセンタ』、建材加工用のNCフライスが『NCルーター』と呼ばれるようです。
基本的な加工方式は同じですが、違いがあるとすれば加工材料になるかもしれません。

建材加工用として進化したNCルーターは、板材の直線曲面カット、切抜き、面取り、ポケット加工、穴あけ等の二次元加工を得意とします。
ワークテーブルも板材を乗せることを想定した仕様がほとんどであり、バキュームテーブルでワークを固定する方式が採用されています。

NCルーターによる加工紹介もブログで紹介しています。

◆加工サンプル

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