ゴム加工RUBBER PROCESSING
ゴム加工基礎知識
ゴムは力を加えると変形し、その力を除くと元の形に戻る、ゴム弾性といわれる性質を持っています。
弾性材料に対して、カッターなどの刃物で引きながら切る加工をしてしまうと、変形した状態で切れてしまい、綺麗に仕上げることが出来ないことが多くあります。
ゴムの種類や硬度、形状によって適正な加工方法を選択することが、とても重要になっています。
◆ゴム加工の種類
ゴム製品の加工は大きく分けて、金型を用いて成形する『成型加工』と、規格品などのゴム材料から削り出して成形する『切削加工』の2種類があります。
成型加工はロット数は大きくなりますが、材質や形状の制約が少なく、複雑な形状でもスピーディーに製作できるという特長があります。
その反面、初回加工時に金型を製作必要があるためにイニシャルコストが大きくなります。
また、金型製作に時間が掛かるので納期がタイトな場合は注意が必要です。
切削加工は刃物で規格品の材料(ブロック・板・丸棒など)を削る加工です。
金型を必要としないため、成型加工と比べてイニシャルコストが少なく、小ロットの製作に向いています。
但し、軟らかい材料の加工や複雑な形状の場合には寸法精度が出ないなど、注意が必要となるケースもあります。
ロット数や材質、形状により、最適な加工方法は異なりますので、まずは『CONTACTフォーム』からお気軽にお問い合わせください。
◆ゴム素材の種類
工業用のゴム材料については、下表に記載している、『ウレタンゴム』・『クロロプレンゴム』・『ニトリルゴム』・『シリコーンゴム』・『エチレンプロピレンゴム』・『フッ素ゴム』・『天然ゴム』の7種類が一般的に広く使用されています。
これらの材料から、要求する硬度や耐熱性などの性能面と、入手のしやすさや価格などの条件で選定を行います。
この中で、当社で常時在庫している3種類の材料について、もう少し詳しく紹介します。
汎用性の高い合成ゴム。通常グレードは黒色。
耐オゾン性(耐候性)・耐薬品性に優れ、耐熱・耐寒性も良好。
多くの点で平均以上の特性を持ち、各社で在庫保持している場合も多く、入手性が良い。
「ネオプレン」と呼ばれることもあるが、これは開発元のデュポン社の商標名。
耐油性に優れる合成ゴム。通常グレードは黒色。
燃料油、潤滑油用パッキンやオイルシール、ガスケット、Oリングなどに使われている。
耐候性に劣るため、野外使用には不向き。
耐オゾン性(耐候性)・耐薬品性に優れ、耐熱・耐寒性も良好なゴム。
特に屋外での使用に適した素材だが、耐油性は低い。