表面処理INDUSTRIAL SUPPLIES
代表的な表面処理
ひとくちに表面処理と言っても、基材の上に別の素材の層を形成するもの、基材の表面の形状を変えるもの、基材の表面を化学反応させて性質を変化させるものなど、その種類は多岐に渡ります。
ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
目次
◆メッキ(鍍金)
主に母材である金属の表面に別の金属の薄い膜を形成する加工です。
母材の材質によって、加工できるメッキの種類は異なります。
なお、一部の樹脂等の非金属でもメッキが可能なケースがあります。
樹脂にメッキをする場合はメタリックな外観を与えて意匠性を上げる効果が期待されます。
【効果】
✓耐食性の向上
鉄などの強度はあるのに錆びやすい金属の表面を、錆びにくい金属の膜で覆い耐食性を向上させる
✓装飾性の向上
つややかで美しい外観を付与する効果。金メッキや銀メッキがその代表格
✓機能性の追加
摺動性の向上や導電性の向上、軟らかい金属の上に硬い金属の被膜を形成して傷を防止する、等
◆コーティング・塗装
母材の表面に樹脂・ゴム製の被膜を形成する加工をコーティングや塗装と呼びます。
実際は高機能の塗料もありますので単純には切り分けられませんが、塗装は主に着色(装飾性の向上)を目的とし常温で作業ができるもの、コーティングはコーティング液の塗布後に焼成が必要で、見た目以外の機能の付与を目的としているものを指すことが多いです。「塗装の上から傷を防ぐ目的で透明のコーティングをする」というケースが分かり易いでしょうか。
【効果】
✓意匠性向上
✓防錆・傷の保護
✓電気絶縁性の付与
✓滑り性、非付着性の付与(フッ素樹脂コーティングなど)
✓グリップ性の付与(軟質樹脂材料のコーティングなど)
コーティングとよく似た加工に「ライニング」と呼ばれるものがあります。
コーティングとの厳密なボーダーはありませんが、慣例として、コーティングは薄い膜を形成することを指すのに対して、ライニングは0.5㎜~1.0㎜以上の厚手の膜層を形成する場合に用います。
厚ければピンホールが空きにくいので、気密性が必要なケースでは「ライニング」という言葉を用いるのが一般的です。
また、ライニングという言葉は、単に機能性を持つシートで被うような場合も含むため、焼き付けだけではなく、接着やねじ止めして使う樹脂シートを「ライニング材」と呼ぶこともあります。
樹脂のコーティングについては、下記リンクのページでもご紹介しています。
◆ブラスト加工
砂やガラスビーズなどの研磨剤を、圧縮空気や装置の動力を利用して、素材の表面に強く打ち付け、表面形状を変化させる加工です。
研磨剤の素材や粒の大きさによって仕上がりが大きく異なります。
製品をブラスト装置に入れ、研磨剤を吹きつけなければならないため、装置に入らないサイズの大きな部品では加工できない場合があります。
屋内設備や水濡れを嫌う装置の汚れをはがす目的でドライアイスを使ったブラスト加工もあります。
【効果】
✓ 表面に凸凹を形成し、細かい傷を目立ちにくくする
✓ 素材表面の錆びや汚れ、古い塗装の除去
✓ 塗装や接着の下処理
✓ ガラスや金属の表面に部分的に施工し、反射を減らす
✓ 金属表面をまんべんなく叩くことによって強度を上げる
◆焼き入れ処理
鋼鉄を加熱して高温状態にしたあと、急激に冷却することで硬化させる処理です。
高温状態では鋼鉄の中の鉄、炭素、その他の元素が均一に混ざった状態となり、それを急冷するとマルテンサイトと呼ばれる状態となります。
マルテンサイト化した組織は非常に硬い状態となります。
硬くなっただけでは脆く欠けやすい状態になるため、焼き入れ後には、初めよりも低い温度で加熱し、再び冷やすという「焼き戻し」と呼ばれる処理を行なうことで、硬度が高く、かつ靭性も高い状態に仕上げることができます。
焼き戻しは鉄製の板ばねなどの部品で重要です。
【効果】
✓ 強度を上げる
✓ 硬度を上げる
✓ 耐疲労性の向上
✓ 耐食性の向上
ここまで代表的な表面処理についていくつかご紹介しましたが、当社では特徴のある表面処理も多数取扱いがあります。
別ページでご紹介しておりますので、是非お読みください。