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2025/04/16
CREATIVITY
【設計・製作Blog】自動接着剤塗布機の製作
こんにちは。製造部技術課のSです。
今回のブログでは、当社のコンベヤベルト量産工場向けに製作した『自動接着剤塗布機』の開発事例についてご紹介したいと思います。
目次
◆これまでの作業方法と課題
当社のベルト生産工場は東京(八王子)と長崎(諫早)にあり、長崎工場は量産工場として多品種のベルト加工を行っています。
技術課では、社内の省人化、作業効率化、品質安定化を目指し、日々オリジナル設備の設計製作にも取り組んでいます。
今回は手加工の割合が大きい、接着剤塗布作業を自動化する装置を開発しました。
【これまでの作業方法】
搬送用ベルトの裏面の一部に全周に渡って、作業員が手作業(刷毛塗り)で接着剤を塗布。
ベルトは長いので、少しずつベルトをずらす必要がある。
1本20M近い長さのものを複数一度に加工することもあり、ベルトを持ち上げる作業の負担が大きい。
【課題】
1. 接着剤塗布作業が全て手作業のため時間がかかる2. 接着剤をある程度塗った後に、ベルトを手動で繰り返し移動させる必要があるため労力がかかる

◆自動で送って×自動で塗る
実はこの装置は2段階の改良を経て完成しました。
第一弾では、塗り終わったベルト持ち上げて繰り返し移動させる作業をなくすため、ベルトを機械にセットしスタートボタンを押せば自動的にベルトが送られるという機能のみの「自動ベルト送り機」を作り、省力化を実現しました。
その後、接着剤塗布作業も自動化できるのではないかという話になり、開発を継続することにしました。
第二弾では、何度も試行錯誤を重ねた結果、接着剤をむらなく均一に排出させる方法を生み出すことに成功。
これによって、無事に『自動でベルトを動かしながら、所定の位置に全周接着剤を塗る』ことのできる装置が完成しました。
完成した装置では、作業員が行うのは下記だけです。
①ベルトを装置に掛ける
②装置に周長を入力
③接着剤を塗布する箇所に塗布口の位置を合わせる
④塗布口のシャッターを開ける
⑤スタートボタンを押す
作業が完了(所要数分)すると、自動的に機械が停止します。
作業員がベルトを持ち上げるのは装置に掛けるときと外すときのみ、刷毛を持つ必要はなくなりました。
【装置概要】
ベルトを自動送りし、接着剤塗布作業も自動で行う装置
【装置の特長】
1.自動でベルトを送れる2.自動で接着剤が塗布出来る3.ベルト長を任意に設定でき、設定値に応じた送り・塗布が可能4.ベルト幅に応じて接着剤塗布の位置が調整可能
(完成した自動接着剤塗布機↓)

この装置の導入により、最大で今までの半分の作業時間になったとのことです。

◆まとめ
当社は日頃より改善活動に取り組んでおります。
今回ご紹介した装置は、一定量の液体(ゲル)を一定幅で長く塗り続けることが可能です。
何か長いものに手作業で液体を塗っている、という現場がありましたら、自動化のお役に立てるかもしれません。
この装置ではあらかじめ設定した長さに応じて『加工が終わったら自動で止まる』という電気制御を採用しています。
このため、作業員が少し席を離れても加工に支障が出る心配はなくなりました。
少子高齢化が進む日本では、様々な現場で作業員不足が喫緊の課題と言われています。
作業負担の軽減、単純作業の自動化を進めて「人不足」に備えませんか?
今後も社内・社外問わず、作業効率化の役に立てるようなものを手掛けていきます。
✓ 作業効率UPを図りたい
✓ 省人化・省力化を図りたい ✓ 作業者の身体的・精神的負荷を減らしたい
このような場合は、ぜひお気軽にご相談下さい。
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