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2024/02/28

CREATIVITY

【設計・製作Blog】工程改善!半自動機 ”ワークカウンター”の製作

こんにちは。製造部技術課のAです。

皆さまの製造現場で製品を作ること、検査することのほかに時間や手間がかかっていて改善したいと思っていることはありませんか。
当社では『細かくて軽い部品の数を正確に数える』という作業の時間と負担を削減するため、小さなコンベヤとセンサーを使って ”ワークカウンター”を自作し、大幅な工程改善を実現させました。


目次


◆ 加工よりも数える方に倍の時間が?




【ワーク】  薄い長板を短冊状にカットしたもの

【詳細】
*1枚ずつは非常に軽い
*1回の注文数が数千~1万個
100枚ずつ正確に梱包して出荷する(員数不足はもちろん過多もNG
*注文は1~2年に1度くらいのペース


下の写真はカットされた製品を並べて数を数えている様子です。
薄くて軽いため、丁寧に作業しないと重なりの見落としや紛失のリスクもあり、時間がかかっていました。



ネジなど細かい部品の数を全体の重さから割り出す計測器に「カウンティングスケール」があります。
当社も保有しているのですが、今回の製品については1枚が軽すぎるためカウンティングスケールでは「正確な100枚」を計ることはできませんでした。


ご注文が1年に1度くらいのペースだということもあり、新たな計測器を買うというほどの投資には踏み切れず、初めは、

「これはかなりしんどいぞ」
「材料費と切削加工費を元に販売価格を決めているので、数えている担当者はただ働き状態では?」

と思いながらも手作業でカウントしていました。



【課題】

1.手作業のため数える作業に時間がかかってしまう
2.数え間違い(ヒューマンエラー)が発生する恐れがある
3.作業者の身体的負荷がかかる(長時間数える為、目の疲れ等)







◆ 余材を使って半自動機を作る


 
何回目かの注文のあと、製品の品質を下げるリスクのない無駄な作業はどんなに小さくても削減しようと、改善に取り組むことにしました。

お客様のご要望に沿った装置の設計や開発を担当している技術課には、試作用の部材や製作した装置の余り材があります。
課員が遊び心も加えつつ、そうした余り材を利用して作った半自動化装置が以下の動画の『ワークカウンター』です。



◎古い手順◎

1. 長板を手で押さえ右側の突き当て板に当てながら、足でペダルを踏みカット
2. カットした短冊状ワークは棒などで一つずつ下に設置したケースに落とす
3. 手で100枚ずつ数えてビニール袋に梱包する
 ↓
『カットする工程』と『並べて数えて袋詰めする工程』の2工程が必要。
特に2つ目の工程の方に倍の時間がかかっていた。

 


◎新しい手順◎

1. 長板を手で押さえ右側の突き当て板に当てながら、足でペダルを踏みカット
2. カットした短冊状ワークは自動的にミニコンベヤ上に払い出される
3. 払い出されたワークがミニコンベヤで搬送され、センサーゲートを通過することでカウント
4. カウンターで設定した数値(100枚)までカウントされたら、ブザーが鳴りコンベヤがストップする
5. ケースに貯まった100枚をビニール袋に梱包する
 ↓
切削しながら梱包も可能になり、「数えるために並べる」時間ゼロ
ミニコンベヤがあるおかげでワークが重なることなく、確実なカウントが可能になった。




*注意* 上記動画では20個でブザーが鳴るように設定し、20個で梱包しています


◆ まとめ


 
この装置を使うことで、作業者の身体的負荷とかなりの作業時間の削減に繋がりました。

生産現場それぞれに応じた、オリジナルの自動化機械があればよいのに、と思われている方は多いかと思います。
同時に費用的な負担を考慮して諦めていることもあるのではないでしょうか。

今回ご紹介したのは当社製造部での事例ですが、完全な自動化装置ではなく、数える作業のみを不要にしたものです。
このような半自動機であれば、費用対効果の高い改善が望める現場はたくさんあると考えます。

 
 ✓ 社内の作業効率UPを図りたい
 ✓ 作業者による人的ミスを削減し品質向上を図りたい
 ✓ 作業者による検査の差を減らして作業標準化を図りたい
 ✓ 作業者の身体的・精神的負荷を減らしたい


 このような場合は、ぜひお気軽にご相談下さい。



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